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頑張っています

社長の体験とのギャップ。

社長はおっしゃいます。「私が創業したときは、朝早くから深夜までそれこそ仕事漬けだった」「体が疲れたとかなんて言ってられなかった」と。社長は直接こう言いたいのです。 「もっと頑張れ」「もっと早く仕事すれ」「もっと量をこなせ」「段取り良くこなせ」「仕事の事をもっと考えれ」「すぐ行動すれ」と。残念ながら、そうはいかないのが社員と社長の差です。

社員は、みんな頑張っている。

社長は、社員の事を常に思っている。

社長や上司が、社員に「頑張っているか?」と声を掛けたら、その社員はなんて答えますか?

これは、コンサルティングの現場で実際にヒアリングする事です。多くは、「はい」「頑張っています」「毎日残業しています」「けっこう一杯一杯ですね」「行程が間に合わないので今急いで・・」 「休み返上でやっています」「けっこう来ています」などの答えをするようです。まだまだ答え方は様々ありますが、だいたいが「頑張っています」に集約されます。

そうなんです。社員はみんな頑張っているんです。自分なりに精一杯頑張っているのでしょう。

「頑張っているか?」に答えた社員の上司に聞いてみると、その上司も「はい。あいつは、すごく頑張っていますよ」と答えます。しかし、この答えに社長からすると何か物足りなさが感じられると言うのです。

「俺の時は・・・」と、つい対比してしまう社長がいるため物足りないのです。

「もっとこうすれば早いのに」「もっとこうやれば効率的なのに」とついつい心で思ってしまう。役職者や社員が、頑張っていると答えている事に物足りなさを感じるのです。

出来れば、社長はこう答えて欲しいのです。「やってるつもりですがまだまだ勉強不足です。」「まだまだです」と・・。社員は、「やってるつもり」。社長は、「まだ・まだ」。これが、創業社長と役職者や社員との決定的な違いです。

このギャップは埋まりません。何とかしたくて社長自らが働いてきた体験談をいくら話してもムダです。

戦争を体験された方が、今の若者に戦争の恐ろしさや悲惨さ、むごさは伝える事が出来ても体験していない者にとっては、想像の域を出ないのと一緒なのです。

従業員に「まだまだ」と感じさせるためには、社員教育が欠かせません。社長自らが、体験談や苦労話しをするのではなく、部外者の人間から、社長が思う仕事っぷりや日頃の不満足な事、社員にこうなって欲しいと思っている心や愛情などのを話してもらうのです。

そこに、社員教育コンサルティングの活用もあるのですから「伝える」「浸透させる」「理解させる」「行動させる」「喜び」「実感」を与える作業が必要になります。

社員は、みんな頑張っているつもり。このつもりが如何に薄く、低いものかを教えることがスタートです。