講演会やコンサルティングの依頼がある場合、よく仕事には段取りが欠かせないものであり大変重要であるというお話をさせて頂きます。 どんな業務にも段取りが必要であり、仕事を進める上で絶対に欠かせないものです。仕事のムダを省くべき効率化やスピード、人的、時間的、成果的なロスなど。 さらには、その内容や質、完成度の違いに迄影響を及ぼし、尚かつ顧客や取引先・業者からの信用と信頼に直結しています。そして、お客様や取引先からは、出来ない社員はもとより社長・会社そのものが評価されます。 すなわち、段取りが出来る社員を育成している会社は、評価が高く成長する、あるいは仕事の出来る会社と言えるでしょう。
段取りは、着手から完了、評価、検証までの進行計画です。手順や手段であり、手はずといってもいいでしょう。この段取り一つで、完了までのプロセスのスピードや質、内容などの成果が大きく変わるのはご存じのはずです。
しかし、段取りを重視した社員教育が、なされていない会社が多いのです。
段取りがへたな社員には、ミスやロスが多く、よく言う「報告・連絡・相談」なども不十分になっています。
実は、段取りと「ほうれんそう」は、密接な関係があります。
会社に於いて「ほうれんそう」が大事とは、よく聞かれるでしょう。「ほうれんそう」がしっかり出来る会社にするためには、「段取りレベル」を上げる事です。
段取りには、いつ、いつまでに、誰に、何を、どのように、その為には、等が含まれており「ほうれんそう」が必ず付きもの
ですから「ほうれんそう」の社員教育よりも「段取り上手」教育を「先に」徹底されると「ほうれんそう」教育にも繋がります。
実は、「ほうれんそう」を管理職が部下に徹底させるため、業務上のあらゆる場面で「何で早く報告しないのよ」「何で終わったら終わったって言わないのよ」「そんな大事なことを何で先に・・」等と、
「何で・どうして・だから」がその都度、事あるたびに発せられ、注意をしているはずです。
しかし、経験されていると思いますが、「ほうれんそう」教育は、都度注意をしてもなかなか教育が進まないのが実態です。それは、業務の全てにおいて「ほうれんそう」が必要であり、教えるというより注意、
怒りの連続になるため、いつも注意するのがおっくうになり、手を緩めてしまうのです。あきらめに近いかもしれません。
それと、出来ない社員は往々にして自分は出来ていると思っていることが多いのです。コンサルティングの現場において、例題を出して分かり易く教えたとしても、「自分の事ではない」、「自分はわかっている」という、
すました顔をしていますので、話しが「体」に浸透して行きません。はっきり言って、どうもピンと来ていないのです。
そこで、段取り教育は「高い」ゴールの設定を決めて、出来ない社員と一緒に一つを「段取る」のです。簡単には、作業の内容や優先順位・役割分担・時間・発信受信・社内共有化に至る進行一覧表を作成し、
管理調整を常に行いゴールに向かう迄を実践し教えて下さい。
きっと、この社員は、「こんな事まで考えないといけないのか」「こんな事までするのか」「こりゃ~大変だ」と、始めてそこで気が付きます。これを繰り返し、その社員の段取りをいつも確認・検証、是正し、出来たら認めて褒めてあげ続けて下さい。
会社には、取引先や外注依頼、下請け業者などが多数あります。実は、この外部の会社の人達ほど多くの会社を見ているので業者間や取引先間、又は社内で、貴方の会社寸評評価をしています。
「あそこは、こうだあ~だ」と。特に、外注依頼や下請け依頼を受けた際、依頼先の段取りが悪くて迷惑している会社からは、非常に評価が悪いはずです。「まただよ」「やめて欲しいよな」「どもならんな」と、何人かで話しをしているのが聞こえて来そうです。
自分たちの会社が依頼元だからと言って偉そうにしていても、仕事を貰う側は表面には出しませんが、裏で笑っています。
意識をしませんか?どういう評価が下されているかを。そして、外部からの評価を高める努力を惜しまずにすることです。その為には、どうなりたいのか、何を改善し、何から、どうするのか、など・・。「段取る」のです。
社員の段取りレベルの高い低いは、会社の生命線ともいうべきものです。段取りがしっかりとされていないと、行き当たりばったりで業務を進行しますから、あらゆる所にひずみやゆがみを生み、それがお客様や業者などに影響を及ぼしご迷惑をお掛けしてしまいます。
段取りよく、相手に時間コストや労力コストを与えない「気配り」段取りは、高評価を得て、いざというときには積極的な協力を得られるものです。
「見られている」「評価をされている」を、どうぞ意識して頂きたいと思います。